自殺幇助により、映画監督のジャン・リュック・ゴダール氏が91歳で亡くなりました。
世界的な映画監督の死因が自殺幇助というニュースはかなり衝撃的です。
一部の国や地域で合法となっているという自殺幇助ですが、日本では非合法ですし、どこかピンとこない部分がありますよね。
自殺幇助とはいったいどのようなものなのでしょうか?また安楽死とは何が違うのでしょうか。
そこで今回は、自殺幇助とは何なのか、具体的なやり方や安楽死との違いなどについて調べました。
自殺幇助(ほうじょ)とは?
自殺幇助(ほうじょ)とは具体的ににどういうことなのでしょうか。
自殺幇助(ほうじょ)とは自分以外の人の手を借りた自殺のこと
自殺幇助(ほうじょ)とは、自分以外の人の手を借りた自殺のこと。
あくまで手を借りるだけで、実際に死に至る行動を起こすのが自分自身であることがポイントです。
自殺幇助(じさつほうじょ)とは、別の人、時には医師の助けを借りた自殺[1]。この用語は医師による自殺幇助(physician-assisted suicide, PAS)と互換的に用いられる。PASとは医師が「致命的な用量の薬物に関するカウンセリング、そのような致死的な用量の処方、または薬物の供給を含む、自殺に必要な知識または手段またはその両方を意図的に人に提供する」ことである。
医師による自殺幇助は安楽死と類似しているが正式には異なる。医師による自殺幇助は、健全な精神状態の人が自ら死の希望を表明し、自分の人生を終わらせるための薬品投与を医師に要求する必要がある。
引用:wikipedia
自殺幇助(ほうじょ)とは?やり方は薬物を自ら取り込む方法
自殺補助(ほうじょ)とは?一般的なやり方は、薬物を自ら取り込む方法。
スイスでの自殺幇助は、薬物が入った点滴のバルブを開けるか、口から取り込こむようです。
自殺ほう助は通常、医師から処方された致死量のバルビツール酸系薬物を患者本人が点滴のバルブを開けるか、口から飲み込んで体内に取り込み、死亡する。
引用:swissinfo.ch
スイスでの自殺幇助について取材した記事によると、点滴のバルブを開けると20秒ほどで亡くなるとか。
夫の写真1枚1枚にキスをしたサンドラさんが自らストッパーを解除すると、ほんの20秒ほどで彼女の全身の力がスーッと抜けて、あっという間に息を引き取りました。
引用:NEWSポストセブン
スイスで自殺幇助(ほうじょ)を受ける条件とは?
スイスで自殺幇助(ほうじょ)を受ける条件は団体によって異なるようですが、やはり自殺幇助を受けなければ苦痛を取り除く方法がないことが前提のようです。
自殺ほう助を受ける条件は団体によって若干異なるが、大まかには以下の通り。
・治る見込みのない病気 ・耐え難い苦痛や障害がある ・健全な判断能力を有する
自殺ほう助以外に苦痛を取り除く方法がないこと、突発的な願望でないこと、第三者の影響を受けた決断でないことも考慮される。
引用:swissinfo.ch
ジャン・リュック・ゴダール監督は一部では「病気ではなく、疲れ切っていた」などと報道されていますが、
BBCによるとゴダール氏が「複数の治療困難な病気を患っていたため、自発的にスイスの法的支援に頼った」などと報道されています。
Godard’s legal advisor Patrick Jeanneret told the AFP news agency that the Franco-Swiss film-maker "had recourse to legal assistance in Switzerland for a voluntary departure as he was stricken with ‘multiple invalidating illnesses’, according to the medical report".
引用:BBC
すぐ死に至る病気ではなかったのかもしれませんが、ゴダール氏が自殺幇助を受けた背景には、やはり治る見込みのない病気があったということですね。
スイスで自殺幇助(ほうじょ)を受ける方法とは?
また、スイスで自殺幇助(ほうじょ)を受ける方法は単純ではありません。
事前に自殺幇助団体に会員登録し、医師の診断書や自殺幇助を受ける理由などを提出。
さらに、団体の意思にの審査を経て認められなければ許可が降りないため、実際に自殺幇助を受けるまでには数ヶ月もかかるといいます。
自殺ほう助を受けるにはまず団体に会員登録(年間40~80フラン、約4600~9200円)し、医師の診断書や自殺ほう助を希望する身上書を指定された言語(英語・独語・仏語など)で提出する。団体の専門医が審査し、認められれば許可が下りる。申請から自殺ほう助に至るまでは通常数カ月かかる。
引用:swissinfo.ch
自殺幇助は誰でも受けられるものではないこと、そして一時の気の迷いで受けられるものではないことがよく分かりますね。
自殺幇助(ほうじょ)は安楽死の違いとは?
自殺幇助(ほうじょ)と安楽死の違いとはいったい何なのでしょうか。
どちらも目的は同じ「死」ですが、自殺幇助と安楽死はその過程が異なります。
自殺幇助(ほうじょ)と安楽死の違い
自殺幇助(ほうじょ)と安楽死の違いは、自分で死に至るか他人の関与で死に至るか。
- 自殺幇助:あくまで自分自身で死に至ること
- 安楽死:他人の関与によって死に至ること
また、安楽死にも2種類あり
- 積極的安楽死:命を終わらせる目的で何かをすること
- 消極的安楽死:命を終わらせる目的で何かをしないこと
どちらも命を終わらせる目的ですが、過程が異なりますね。
自殺幇助(ほうじょ)が合法なスイスでも「積極的安楽死」は禁止
自殺幇助(ほうじょ)が合法なスイスでも「積極的安楽死」は禁止。あくまで自殺幇助だけが合法となっています。
スイスでは、医師など第三者が患者に直接薬物を投与するなどして死に至らせる「積極的安楽死」は法律で禁止されている。認められているのは、医師から処方された致死薬を患者本人が体内に取り込んで死亡する「自殺ほう助」だ。
引用:swissinfo.ch
ただ、世界には「積極的安楽死」が認められている国も存在します。
現在、10カ国以上の国・地域で自殺ほう助が認められている。積極的安楽死が合法化されているのはオランダ、ルクセンブルク、ベルギー、カナダ、コロンビア、スペインなどだ。
国によって異なるものの、世界的に「死を選択する自由」が認められるようになりつつあるということですね。
自殺幇助とは?ゴダールの死に対する世間の声
自殺幇助とは何なのか、ゴダール監督の死を受け世間からはさまざまな声が上がっています。
ゴダール監督、91歳、病気ではなく疲れ切っていたから自殺幇助を受けたとは、考えさせられます…
引用:Twitter
ゴダールがこういう形でこの世を去ったとは… 徹底的に最後まで哲学的な存在に…
引用:Twitter
ツイッターで安楽死を望む方をよく見かける。切実な思いがおありなのだろうと思う。一方で、安楽死や自殺幇助に相当する死が日本で合法化されるとしても、その条件はおそらく、不可逆的に進行する病気の耐え難い苦痛以外には、認められるのは難しいだろうとは思う。
引用:Twitter
何処だか忘れたけど…欧州はこういう「自殺装置」を結構作ってたりするよね。「生きてればいつか良い事がある!」的な感じに「自殺イクナイ!」と発狂する日本とは大違い(‘A`)
引用:Twitter
唐突なカメラの動きや哲学的な引用など映画が小説作家の様に監督のものであることを強く打ち出した作風だがその分ロメールやトリュフォーに比べなかなかついていけない部分もあった。それにしても"らしい"死に方。お悔やみ申し上げます。
引用:Twitter
【まとめ】自殺幇助(ほうじょ)とはあくまで他人の手を借りた自殺
今回は「自殺幇助(ほうじょ)とは?他人の手を借りた自殺で安楽死とは異なる」として、自殺幇助とは何なのかやり方や受ける方法などについてまとめました。
自殺幇助(ほうじょ)とは、あくまで他人の手を借りた自殺。他人の手によって死に至る安楽死とは異なります。
スイスに渡り91歳で自殺幇助を受けた、ジャン・リュック・ゴダール監督。
スイスには国外住居者の自殺幇助を受け入れている団体があるため、死を選ぶためにスイスに渡る人が増えているといいます。
さまざまな問題がつきまとう、自殺幇助や安楽死。日本でもいつか自殺幇助が合法になる時が来るのでしょうか。